タイで漢方!
タイに住んでいた頃、アトピーの調子が悪くなる時、決まって寝汗から始まることが多くなりました。
寝ているときに粘っこい汗をかいて、痒みが出てうなされます。
朝、目を覚ますとアトピーが出ているという感じです。
おそらくこの時はかなり冷たい飲み物を飲む習慣ができてしまったので、
水毒の状態になってしまっていたのかなと思います。
もともとある鼻炎の症状も悪化していました。
どこか病院にいこうか、とも思いましたが、どうせステロイドだろうし。
ステロイドはもらう必要もないくらい、日本から大量に持って行っていました。
そこで思いついたのが「漢方」でした。
バンコクには「ヤワラート」と呼ばれる中華街があります。
中華系の人たちも多く住んでいるので、とにかく規模がでかい!
観光大国なので、バックパッカーの欧米人やら、とにかく色々な人種の方たちで溢れていますし、活気があります。
きっとここなら本場の漢方治療が受けられるに違いない!と思ったのです。
色々と下調べをして、通訳がいる店を選びました。
地元の人でにぎわう、薄暗くてエアコンもないようなお店も色々ありますが、
ちょっと入る勇気がありませんでした。
今思えば、そういうお店も覗いてみればよかったとは思います。
高いかなぁと思いつつも、ちょっと、高級そうなきれいな門構えのお店を選びました。
ここでの漢方の処方はきちんと医師に診てもらいます。
漢方専門の中国人のお医者さんです。
お医者さんは、タイ語はわからないようで、中国語しか話せません。
そこで、通訳がついてくれるのですが、それがちょっとややこしいことになります。
大して流暢でもない英語と片言タイ語しか話せない私に
通訳は2人つきました。
「英語が話せるタイ人」と「中国語が話せるタイ人」
どちらも女性で、私よりはかなり年上な感じです。
英語を話せる通訳が、私が話す英語をタイ語に訳し、中国語が話せる通訳に伝えます。
中国語が話せる通訳がそれを中国語に訳し先生に伝える。
これの繰り返しです。
折り返しも同じ。
先生(中国語)→通訳①(中国語→タイ語)→通訳②(タイ語→英語)→ムム子(英語)
と言う感じで最終的には英語で返ってきます。
しかし!!そもそも私は全てが片言。単語によっては英語より当時勉強中だったタイ語の方がわかるってこともあります。
しかもタイ人の英語が聞き取れない!
こんな状況なので、伝言ゲームの順番を守らない人が続出!!!
もういろんな人が適当にしゃべりだし、カオス状態でした。
ムム子「お酒はやっぱりダメですよね??」
通訳2人「そりゃダメでしょ!!(即答)」
いや、先生に聞いてよ!!!
中国人医師は若い男性でずっとニコニコしていてとても良い人でした……。
女3人がぎゃーぎゃー言っている横で微笑みを絶やさず。
「私は水毒ですか?」と先生に確認したいのですが、水毒って英語で何??
「ウォーター……」いや。なんか違うな。
通訳を介してもなかなか伝わりません。
「えーっと。だから……あ!!!」
そうそう先生は中国人です。漢字!!!
紙ください!!
私が紙に「水毒??」と書くと
先生はうんうんと頷いて「そうそう!!!」と微笑みました……。
やったー!通じた!
通訳二人も「おぉー!通じて良かったねー!」と歓声をあげてくれて。
なかなか貴重な体験でした。
先生はしっかり、脈の状態、舌の状態。アトピーの患部などを診てくれるので、言葉なんてそう大した問題じゃないんでしょうね。
この診察によって、先生がその日の漢方の処方を決めます。
ささっと、生薬の名前、グラム数を書きます。
生薬は20種類前後、ずらーっと書かれています。
先生が書いた紙は店先の漢方を煎じる係の人たちに渡され、その紙を見ながら、私専用の漢方が出来上がります。
その煎じ薬は液体なので、1回分ずつのパックにしてくれて渡してくれます。
レトルトのカレーのパックのようなイメージです。
この煎じる作業に2時間近くかかるので、すぐには渡してもらえません。
出来上がる頃に受け取りに行くと、大量の漢方のパックを渡されます。
もうできたてホヤホヤなので熱々です。1日2回服用で10日分ほどですが、液体なので、かなりの重量。
料金は日本円で八千円ほど。
漢方の色は真っ黒で1回分がマグカップなみなみ一杯くらいあるので、結構な量です。
そして。まずい!!まずさで最初はぶるっと震えがきました。
今までも子供の頃から色々な健康食品やら薬やら飲んできて、
少々まずいくらい平気と思っていたんですが、まずさはトップクラスでした。
漢方の効果は?
漢方のおかげかははっきりしませんが、飲んでいると症状はだんだん良くなりました。
でも劇的にというわけでもなく、何となく良くなってきたかな?という緩やかな回復でした。
私がタイで漢方を飲んだのは3か月間くらいでしたが、
処方は行くたびに微妙に変わりましたから、その時の体調をしっかり診てくれていたのでしょう。
これを続ければ、本格的に体質も変えることができるのかなぁ…とは思いました。
ただ、ずっと続けるには料金も高いですし、毎回診察も必要で、少しハードルが高かったです。
私は子供の頃からアトピーで、喘息もありましたから、漢方も何度も飲む機会がありました。小学生の頃、初めて脈診をしてもらった時は、「手を触っただけで、
体調がわかるなんて、神様か」と思いました。
でも、私の喘息やアトピーには漢方がものすごく効いた!という経験は正直ありません。
漢方を飲んでいるだけではダメだとは思いますが、
油や小麦粉などを控えて、食生活に気を付けても、少しだけ調子が悪くなるような時は回復を少しだけ底上げしてくれるような気がします。
日本に戻ってからも、漢方は薬局でも気軽に買えますから、体調によっては、タイでの処方で必ず入っていた「当帰」が含まれる漢方などを買って飲む期間もあります。
「呉茱萸湯」という漢方をアトピーとは別の症状のために病院で処方されたこともありますが、飲んでいるときは肌の感じが少し変わりました。ワントーンきれいになったというか。
その時の私の体調に合っていたんでしょうね。
漢方を飲むときに気を付けていること
タイで、漢方を処方されたときに言われたのが、「必ず温めて飲むように」ということでした。やはり、種類にもよりますが、漢方は煎じて、熱いあの黒い液体を飲むということにかなり意味があるように思います。
薬局などで売られている漢方は粉末ですが、液体のものをフリーズドライにしたようなイメージだと思うので、飲むときは、お湯に溶かして、温かいうちに飲むようにしています。
名前に「湯」とついている物は特に温かい液体の状態で飲みます。
少々溶け残りはしますが、お湯に溶かした方が、より効果が高いような気がしています。
でも漢方を飲むなら、本当はきちんと漢方専門のお医者さんに診てもらうというのが理想です。